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413号線
今から10年以上も前の事であるから記事にしても差し支えないだろう。

大型バイク、いわゆるナナハンに乗っていた時の珍事である。
当時東京都下に住んでいた私は、休みの日ともなると決まって走りに行っていた場所があった。
相模原を抜け、暫くすると津久井湖に差し掛かり、そのまま走り続けると山中湖に通じる413号線である。
今は知らないが、当時は交通量も多くなく、比較的のんびりとツーリングを楽しめたのであった。

当時乗っていたのは、ホンダのVF750Fであった。
V型4気筒水冷エンジンは72馬力を発生し、そこそこ速いバイクではあったが、フレーム設計がまずくて重心がどうにも高い上、16インチの小径フロントホイールと相まって、結構不安定なバイクではあった。
ホンダのV4エンジンといえば、かつてはスーパーバイククラスでは向かう所敵無しのフレディ・スペンサーが大いに盛り立ててくれたのだが、いわゆるナナハンらしさに欠ける点が災いして国内では早々に販売停止となってしまっていた。
個人的にはトルクフルな加速感が好きで、そのまま9,500rpmまでシルキーに回ってくれるエンジンは官能的と言うべきか、暴力にも近いもので、ライダーとしてはそのパワーをなだめる事に必死であった。
確か0-400m加速は12秒台であったから、フェラーリ・テスタロッサ並の加速性能である。
車でも16秒を切る辺りになると、気の弱いパッセンジャーなら悲鳴の一つも上げるものであり、ましてバケットシートにホールドされる事も無い生身を晒すバイクでの事、振り落とされまいと必死でニーグリップするのであるが、重力の関係で頭だけが一歩後れてついて来る感覚と言ったら、その凄さが判って頂けるであろうか。
その後VF750Fは重心設計をやり直し、セイバーと名を変えて販売する事となったのだが、警視庁ではいまだにセイバーを使っているのではないだろうか。
今でも警視庁の白バイを見る度に、どうもニタニタしてしまい、危うく職質を受けそうになったりしますが(爆)
神奈川県警はYAMAHAが多いようですね。

そんな良く晴れたある日の事。
413号線をひた走っていると、ミラーに2台のバイクが映った。
どうやら400とクォーター(250cc)のようであった。
ジワジワと差を縮められながらも、短い直線に出るとフルスロットルで振り切ろうとするが、直ぐにピタリと後ろに付かれる。
コーナーが連続する峠ではパワーだけがモノをいうものではない。
重量が圧倒的なハンディとなるのだ。
しかし、こちらはナナハンである。
限定解除の厳しい試験に合格した者として負ける訳にはいかない。
こうなると本当に意地だけであるが、今考えればオヤジ狩りにも等しいイタブリであったろう。
その時はそんな事考えている余裕は無いから、ただただ2速でコーナーを抜けてフル加速するしかなかった。

峠を越えて山梨へ抜けダウンスロープとなった時、悲劇は起こった。
甲高いサイレンが聞こえたのであった。
ミラーには赤色灯が2つ、くっきり映っていた。
私は途端に観念した。
何故なら、私が習っていた教官は元警視庁白バイ隊員で、当時も若い隊員を教えていた人であったから、その凄さは十分判っていたので、逃げ切れる筈が無いと瞬時に悟ったのだった。
「免停かぁ~」と悲観してペースダウンした私の横を甲高いエグゾーストで駆け抜ける若造2人と、セイバーに跨った隊員1人。
追い上げ方は凄まじかった。
とうに160Kmは超えていた筈である(一応赤灯つけてたからイイんだけど)

まさに「あ~ぁ、これからどうしようか」と思いながら、トロトロ走ること2キロ。
隊員の停止命令に従う。
(Uターンしたり、突破したりすると余計面倒な事になるから、皆さんやらないように)
若造2人はメットを両の手で抱え神妙な面持ちで隊員の話を聞いている。
小突かれもしてる。
私が見ていただけでも15分は有ったから、本当はもっと長かったのだろう。
そんな中、いよいよ私の番である。
免許証を差し出すなり隊員の言った言葉が今でも忘れられない。
「あの、お願いしますよ~本当」である(爆)
完全にジジイとして扱われてしまっていた(泣)

説諭が済むと隊員はまた峠へと消えていった。
切符など切らずに。
バイク好きの隊員さん、お元気だろうか。
読んでくれている訳は無いだろうけど、バイク仲間として扱って戴いた事、感謝しています。
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2007/10/10(水) 07:24:50 | 本田車、購入前の豆知識!